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ベトナムのリンゴの食べ方|選び方・洗い方・切り方・保存

リンゴの食べ方ガイドの表紙。選び方・切り方・保存・安全の4項目

この記事の結論

ベトナムでリンゴを買い、無駄なく、おいしく、安全に楽しむための手引き。

記事タイプ主な比較ポイント向いている人
図鑑分類・生態・品種・旬特徴や違いを比較したい人
物語原産地・歴史・文化・伝説背景まで深く知りたい人
食べ方この記事選び方・切り方・保存方法買って実際に楽しみたい人

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ベトナムでリンゴを選び、安全に洗い、切って保存するまでを、価格や品種の違いとともに紹介します。

ベトナムでリンゴを買い、無駄なく、おいしく、安全に楽しむための手引き。

姉妹記事のリンゴ図鑑では、リンゴが冬の寒さを必要とするためベトナムでは大規模な商業生産が非常に限られ、店頭に並ぶもののほとんどは輸入品だという話を、リンゴ物語では、世界中で意味を背負わされてきた果物がベトナムでは既存の「táo」やフランス語に由来する名前で呼ばれ、いまは贈り物として新しい意味を持ちはじめているという話を紹介しました。

では、実際にベトナムでリンゴを買って食べるとき、何に気をつければよいのでしょうか。

パイナップル(食べ方)はらせん状に皮をむき、スイカ(食べ方)は皮をむかずに切るだけでした。リンゴは、そのどちらよりも手前で終わります。噛む力に問題のない大人なら、洗って、そのままかじれるからです。このシリーズでも、特に手間のかからない果物です。

その代わり、別のところに関門があります。ベトナムの店頭で流通するセイヨウリンゴの大部分は輸入品で、品種と産地による価格差がとても大きいのが特徴です。ある小売事業者(Kingfoodmart)が2026年4月に公表した参考価格では、1kgあたり6万ドンから38万ドンまでの開きがありました。しかも「táo」という言葉が、リンゴではない別の果物を指すこともあります。つまりリンゴは、切り方より「どれを、いくらで買うか」のほうがずっと難しい果物なのです。

ベトナムでのリンゴの参考価格帯を示す図。1kgあたり6万〜38万ドン
食べるのは簡単。買う値段は大きく変わる。参考価格はKingfoodmartが2026年4月に掲載したもの。

食べるのは簡単。買う値段は大きく変わる。参考価格はKingfoodmartが2026年4月に掲載したもの。

この記事では、ベトナムでリンゴを「見つける→値段を確認する→選ぶ→切る→食べる→保存する」という順番で紹介します。

目次

購入と食べ方の早見表

項目内容
ベトナム語名táo tây。主に南部では bôm とも(単に táo とも呼ばれる)
読み方の目安タオタイ、ボム
品種による。甘い系(Fuji・Envy・Gala)から酸っぱい系(Granny Smith)まで幅がある
食感シャキシャキとした歯ざわり
買える時期通年(輸入品のため。テト前は贈答需要で品ぞろえが増える)
価格の一例1kgあたり60,000〜380,000ドン(品種・産地・店による。Kingfoodmartが2026年4月に公表した参考価格)
買いやすい場所スーパー、輸入果物専門店、オンライン
基本の食べ方洗ってそのままかじる。切るならくし形かスターカット(輪切り)
よく見かける食べ方Nước ép táo(ジュース)、Salad táo(サラダ)、Mứt táo(砂糖漬け。伝統的にはインドナツメを使い、セイヨウリンゴ版は現代的なアレンジ)
初心者おすすめ度★★★★★

ベトナム語では「táo tây」、南部では「bôm」

リンゴはベトナム語で「táo tây(タオタイ)」と呼びます。「tây」は「西洋の」という意味です。もう一つ「bôm(ボム)」という呼び方もあり、こちらはフランス語の pomme が由来ですが、辞書では方言・地域語として扱われ、主に南部で使われる呼び名です。買い物では、まず一般的な「táo」、必要に応じて「táo tây」を使うのが確実です。

買い物のときに注意したいのが、「táo」だけで呼ばれる場合です。リンゴ図鑑で紹介したとおり、ベトナムには「táo ta(タオター)」と呼ばれる別の果物があります。学名を Ziziphus mauritiana という、日本語ではインドナツメと呼ばれる小ぶりの果物で、ニンズアン省の特産です。

実際、ベトナムの小売店が公開している価格表を見ると、「táo xanh Ninh Thuận(ニンズアン省の青いtáo)」というインドナツメが、輸入リンゴと同じ「táo」の一覧に並んでいます。リンゴが欲しいときは「táo tây」と言うか、現物を指さすのが確実です。

táo tây(セイヨウリンゴ)とtáo ta(インドナツメ)を見分ける図
「táo」という言葉が指す果物は一つではない。確実に買うには「táo tây」と伝えるか、現物を指さす。

「táo」という言葉が指す果物は一つではない。確実に買うには「táo tây」と伝えるか、現物を指さす。

食べる前に知りたい味と食感

ベトナムの店頭に並ぶリンゴは、産地も品種もさまざまです。よく見かけるものを挙げると、次のようになります。

  • Gala(ガラ): 米国産・ニュージーランド産が中心。甘みが穏やかで食べやすく、値段も手ごろな入門向け
  • Fuji(フジ): 米国産・日本産。日本生まれの品種で、甘みが強いのが特徴。産地や成熟度、貯蔵の条件によっては蜜が見られることもあります
  • Envy(エンヴィー): 米国産・ニュージーランド産。甘みが強く果汁が多い高級品種で、価格帯も最上位
  • Granny Smith(グラニースミス): 米国産・ニュージーランド産の青リンゴ。はっきりした酸味があり、サラダや加熱調理に向く
  • Rockit(ロキット): ニュージーランド産の小型品種。手のひらサイズで、筒状の容器に数個入りで売られる。皮ごと丸かじりしやすい

甘いものを求めるなら Fuji か Envy、さっぱりした酸味が好きなら Granny Smith、迷ったら Gala、というのが目安です。

値段はいくら?どこで買える?

ベトナムの小売価格の目安として、食品スーパーのKingfoodmartが2026年4月22日に掲載した参考価格を紹介します(1kgあたり)。同ページはスーパーと高級果物店での参考価格をまとめたものですが、調査店舗数や個々の価格の取得日は示されていません。あくまで、一つの小売事業者が示した目安として見てください。同じ Fuji でも産地、等級、大きさ、包装単位などによって価格は変わります。

品種・区分主な産地スーパーの価格輸入果物専門店の価格
Gala米国・ニュージーランド60,000〜90,000ドン90,000〜130,000ドン
Fuji(赤)米国・日本70,000〜120,000ドン130,000〜200,000ドン
Granny Smith(青リンゴ)米国・ニュージーランド90,000〜120,000ドン120,000〜155,000ドン
Dazzleニュージーランド100,000〜150,000ドン145,000〜200,000ドン
Envy米国・ニュージーランド180,000〜280,000ドン250,000〜380,000ドン
Rockit(小型)ニュージーランド180,000〜250,000ドン249,000〜320,000ドン
オーガニックフランス・米国・オーストラリア90,000〜150,000ドン180,000〜350,000ドン

※価格は季節・為替・セール、産地や等級によって変動します。実際の相場は、いくつかの店を見比べて確かめてください。

同じ「リンゴ」でも、Gala と Envy のように、品種によって数倍の差が出る場合があります。品種のブランド価値だけでなく、産地、等級、大きさ、包装、販売経路、輸送・保管のコストなどが価格に影響します。まずは Gala や Fuji のような中価格帯の品種から試して、好みが分かってから高級品種に進むのが無難です。

リンゴの品種別の価格帯と味の傾向を示す座標図
味・食感・価格帯で選ぶ5品種の位置づけ。参考価格はベトナム小売の2026年4月時点のもの。

味・食感・価格帯で選ぶ5品種の位置づけ。参考価格はベトナム小売の2026年4月時点のもの。

スーパー

WinMart、Big C/GO!、Lotte Mart などの大型スーパーでは、量り売りと袋詰めの両方が並びます。産地シールが貼られており、値段も明示されているので、初めての人にはいちばん分かりやすい場所です。

輸入果物専門店

Klever Fruits、Farmers Market といった輸入果物のチェーン店では、品種のそろえ方が細かく、贈答用の化粧箱も扱っています。価格はスーパーより高めですが、状態のよいものが選びやすいのが利点です。

オンライン

各チェーンのオンラインストアや配達アプリでも購入できます。実物を見て選べない代わりに、品種と産地が明記されているため、狙った品種を確実に買いたいときに向いています。

スーパー・専門店・オンラインの購入チャネルを比較した図
スーパー・輸入果物専門店・オンライン、それぞれの強みと購入時のチェック項目。

スーパー・輸入果物専門店・オンライン、それぞれの強みと購入時のチェック項目。

なお、日本産リンゴは、贈答用の高価格帯商品として販売されることがあります。2024年9月のベトナムメディアには、日本の「Sekai Ichi(世界一)」が1個50万ドン超で販売された例が紹介されました。これは特定時点・店舗の販売例であり、一般的な相場ではありません。

おいしいリンゴの選び方

リンゴは、スイカのように切るまで中身が分からない果物ではありません。それでも、店頭で外から確かめられることがあります。

比較の判断材料にしやすいのは、次の3点です。

  1. 硬さ: 同じ品種同士で比べ、全体に張りがあって硬いものを選びます。指先で強く押すと売り物を傷めるので、持った感触で確かめます。局所的に軟らかい部分があれば、打撲や傷みの可能性があります
  2. 重量感: 同じ品種・同程度の大きさなら、重量感のあるものを選ぶとよいでしょう
  3. 皮の状態: 破れ、軟化した部分、腐敗がないものを選びます。ぶつけた跡は、そこから傷みが広がります

一方、よく言われる目安のなかには、輸入リンゴでは当てにならないものもあります。皮のツヤは収穫後の被膜の影響を受けますし、色の均一さは品種や着色の程度、等級によって変わります。ヘタの乾き具合も、長い輸送を経たリンゴでは収穫からの日数の判断には使えません。果実に貼られたシールに入荷日が書かれているとも限らないので、原産地の表示を確かめる程度に考えておくとよいでしょう。

失敗しにくいリンゴの選び方。硬さ・重量感・皮の状態を示す図解
失敗しにくいリンゴの選び方。硬さ・重量感・皮の状態は比較的使いやすい判断材料。ツヤ・色の均一さ・ヘタの乾きだけで鮮度を決めない。

失敗しにくいリンゴの選び方。硬さ・重量感・皮の状態は比較的使いやすい判断材料。ツヤ・色の均一さ・ヘタの乾きだけで鮮度を決めない。

リンゴの切り方|くし形切りとスターカット

パイナップルのらせん皮むきや、スイカを半分に割る作業に比べると、リンゴには「切る」という工程がほぼ存在しません。

基本は、洗ってそのままかじることです。 ナイフもまな板も要りません。ホテルの部屋でも、移動中でも食べられます。

洗ってそのままかじるリンゴの基本の食べ方を示す図
洗って、かじるだけ。人数で分けるなら縦4等分にして芯を切り落とす。

洗って、かじるだけ。人数で分けるなら縦4等分にして芯を切り落とす。

人数で分けたいときは、次の2つの切り方が便利です。

くし形切り

  1. よく洗って水気を拭き取ります
  2. 縦半分に切り、さらに縦半分に切って4等分にします
  3. それぞれの中心にある芯の部分を、斜めに包丁を入れて三角に切り落とします
  4. 食べやすい大きさに応じて、6等分・8等分にしてもかまいません

スターカット(輪切り)

農林水産省も紹介している切り方で、リンゴを横向きに置いて輪切りにする方法です。断面の中央にある芯の部分が星の形に見えることから、この名前が付いています。

  1. 安定したまな板の上にリンゴを横向きに置きます。まな板が滑る場合は、まな板の下に濡れ布巾や滑り止めを敷きます
  2. 指先を刃の進行方向から離してリンゴを支え、上から好みの厚さに切ります。食感を楽しむなら1cm以上が目安ですが、子どもや高齢者には食べる力に応じて薄めにします
  3. 包丁に慣れていない場合は、表面に浅く切れ込みを入れてからカットすると切りやすくなります

この切り方の利点は、皮ごと食べられることです。文部科学省の食品成分データベースで比べると、可食部100gあたりの食物繊維は、皮つきが1.9gなのに対して皮なしは1.4g、ビタミンCは皮つきが6mgで皮なしが4mgと、皮の分だけ多くなります。食べない部分が軸(へた)と種・硬い芯だけになるので、生ゴミも減ります。

皮ごと食べやすいスターカットの切り方3手順
スターカットなら、皮ごと食べられて生ゴミも減る。廃棄する部分は芯・種・軸だけ。

スターカットなら、皮ごと食べられて生ゴミも減る。廃棄する部分は芯・種・軸だけ。

ただし、輪切りにすると断面の中央に種が残ります。大人が気づかずに数個飲み込んでも通常は問題ありませんが、子どもに出すときは種を取り除いてください。あとで紹介するとおり、乳幼児にはこの切り方をそのまま出さないでください

切ったあとの変色を防ぐ

切ったリンゴが茶色くなるのは、空気に触れることで果肉のポリフェノールが酸化するためです。この反応はポリフェノール酸化酵素が進めるので、酵素の働きを抑えるか、酸素との接触を減らすかすれば変色を防げます。薄い塩水やレモン水にさっとくぐらせる、ラップで密着させる、といった方法が一般的です。

ベトナムでも見かける食べ方

1.そのまま食べる

ベトナムでも、いちばん多いのはこの食べ方です。よく洗って、皮ごとかじります。

2.Nước ép táo(リンゴジュース)

ベトナムでは家庭でもよく作られる定番の飲み物です。赤リンゴでも青リンゴでも作れ、ニンジンと合わせるレシピも人気があります。

3.Salad táo(リンゴのサラダ)

薄切りまたは角切りにして、野菜と和えます。酸味のある Granny Smith が向いています。脂っこい料理が続いたときのさっぱりした一皿として親しまれています。

4.Mứt táo(táoの砂糖漬け)

テトの砂糖漬け菓子「Mứt Tết」には「mứt táo」という一品がありますが、伝統的に使われるのは、リンゴではなくインドナツメ(táo ta)です。ここでも「táo」という言葉が二役を演じています。

一方で、セイヨウリンゴを使った現代的なアレンジのレシピも紹介されています。赤リンゴを薄切りにして塩水に30分ほど浸け、4〜5時間干してから、砂糖・シナモンパウダー・オレンジ果汁と合わせて弱火で煮詰める、という作り方です。

5.贈り物として

リンゴ物語で紹介したとおり、ベトナムでリンゴは「食べる果物」であると同時に「贈る果物」です。テトが近づくと、輸入果物を詰めた贈答用のかごが店頭に並びます。また、北部の旧正月の五果盛り(mâm ngũ quả)に táo が並ぶこともあり、祖先の祭壇に供えられます。何を盛るかは地域や家庭、時代によって異なり、決まった5種があるわけではありません。伝統的に欠かせない果物というわけではありませんが、現代のベトナムでリンゴが得た役割の一つといえます。

ベトナムでのリンゴの楽しみ方4種(ジュース・サラダ・砂糖漬け・贈り物)
ベトナムでのリンゴの楽しみ方。テトのMứt táoはtáo ta(インドナツメ)が本来の姿で、リンゴ版は現代的なアレンジ。

ベトナムでのリンゴの楽しみ方。テトのMứt táoはtáo ta(インドナツメ)が本来の姿で、リンゴ版は現代的なアレンジ。

保存方法

リンゴは、果物の中でも比較的長く保存できます。家庭では次のようにします。

  • 穴を開けたポリ袋に入れるか、口を完全には閉じずに袋へ入れます
  • 冷蔵庫の野菜室に入れます

日本では、1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーで包んでから袋に入れる方法も広く紹介されています(乾燥を防ぐのが目的です)。

袋に入れる目的は2つあります。1つは乾燥を防ぐこと。もう1つは、リンゴが出すエチレンガスを、周囲の野菜や果物から隔てることです。エチレンは果物の追熟を促すので、むき出しのまま冷蔵庫に入れると、まわりの野菜や果物の劣化が早まります。

袋の口を完全に密閉しないのは、結露やエチレンが袋の中にこもるのを避けるためです。

逆に、この性質を利用することもできます。硬くて食べ頃でないキウイやアボカドがあるときは、リンゴと一緒に紙袋などへ入れて室温に置くと、追熟を促せます。傷み過ぎないよう、状態は毎日確認してください。

リンゴの保存方法。乾燥防止とエチレン対策を示す図
低温・乾燥防止・エチレン対策が保存の基本。追熟させたい果物とは逆に、同じ紙袋を使う。

低温・乾燥防止・エチレン対策が保存の基本。追熟させたい果物とは逆に、同じ紙袋を使う。

リンゴを安全に食べるための注意点

表面のワックスと「1か月傷まない」問題

ベトナムで輸入リンゴを買った人がよく口にするのが、「1か月経っても傷まないのは薬のせいではないか」という不安です。

リンゴが長く保つ背景には、品種の性質に加え、収穫後の予冷、低温流通、CA(Controlled Atmosphere)貯蔵などがあります。CA貯蔵は温度と空気中の酸素・二酸化炭素濃度などを管理し、果実の呼吸と成熟を遅らせる技術です。設定値や保存できる期間は品種と施設によって異なります。したがって、「長持ちする」という事実だけから、危険な薬剤が使われている、あるいは使われていないと判断することはできません。

ただし、CA貯蔵は果実の成熟を遅らせる技術であって、殺菌をする技術ではありません。長く保つからといって、洗わずに食べてよいということにはなりません。

ここで、2種類の「ワックス」を区別しておきます。1つは、リンゴの表皮を覆う天然のろう質です。水分の損失を抑え、果実を外部環境から守ります。もう1つは、収穫後に乾燥防止や光沢保持などを目的として使われる食品用被膜で、カルナウバロウやシェラックなどが用いられる場合があります。使われる被膜は商品や輸出国によって異なるため、外観だけで種類や使用の有無を判定することはできません。

なお、家庭でこの2つを見分ける確かな方法はありません。「熱い湯をかけて白い膜が浮けば塗ったワックス」といった見分け方が紹介されることがありますが、根拠は確認できませんでした。

洗い方は「流水でやさしくこする」だけ

洗い方については、米国FDAが生鮮農産物の扱い方として次のように示しています。

  1. まず手を石けんと温かい流水で20秒間洗います
  2. 傷んだ部分は切り落とします
  3. 皮をむく場合も、むく前に流水の下で洗います
  4. 流水の下で、手でやさしくこすりながら洗います
  5. 清潔な布かペーパータオルで水気を拭きます

石けんや洗剤、市販の野菜洗浄剤は使わないよう案内されています。重曹とレモン汁を混ぜる方法を見かけることがありますが、この2つは互いに中和し合うため効果は不明で、歯ブラシで強くこすると皮を傷つけるおそれもあります。流水で十分に洗い、手でやさしくこする——これが基本です。

なお、FDAは、洗うことで細菌を減らせても、完全には除去できないとしています。洗えば無菌になるわけではない、という前提は知っておいてください。

FDA準拠の正しい洗い方5ステップを示す図
低温流通とCA貯蔵で長持ちする仕組みと、正しい洗い方5ステップ。リンゴ自体には石けん・洗剤・野菜洗浄剤を使わない。

低温流通とCA貯蔵で長持ちする仕組みと、正しい洗い方5ステップ。リンゴ自体には石けん・洗剤・野菜洗浄剤を使わない。

種は食べても大丈夫?

リンゴの種には、アミグダリンという青酸配糖体が含まれています。種が噛み砕かれると、消化の過程でシアン化物が生じる可能性があります。

ただし、過度に心配する必要はありません。通常、リンゴ1個に含まれる種を誤って丸飲みしても、中毒は考えにくいとされています。丸ごとの種は硬い殻に覆われていて、そのまま体を通り抜けるためです。避けるべきなのは、種を噛み砕いて大量に摂ることです。芯ごとかじって種をいくつか飲み込んでしまった、という程度であれば心配は要りません。

小さな子どもに出すとき

生のリンゴは硬く、乳幼児にとっては窒息の原因になり得ます。米国CDCも、生のリンゴを子どもの窒息事故を起こしやすい食品の一つとして挙げています。

  • 芯と種を完全に取り除く。輪切り(スターカット)をそのまま出さない
  • 発達段階に応じて、加熱して柔らかくする、つぶす、すりおろすなど、安全に飲み込める硬さと形にする。硬い生リンゴのかたまりは避ける
  • 食べている間は必ず座らせ、食べながら歩いたり走ったりさせない
  • 食事中は大人がそばで見守る

丸ごとかじれる手軽さはリンゴの魅力ですが、それは噛む力が十分にある人の話です。

花粉症の人は注意

シラカバ(カバノキ科)の花粉症がある人は、リンゴを食べたときに口の中や喉のかゆみ・腫れなどの症状(口腔アレルギー症候群)が出ることがあります。

これは免疫の交差反応によるものです。シラカバ花粉の主要抗原である「Bet v 1」はPR-10というグループに属し、同じグループにリンゴの抗原「Mal d 1」が含まれるため、体が似たものとして反応してしまいます。

過去にリンゴを食べて口や喉に症状が出たことがある人は、自己判断で少しずつ試すことはせず、生のリンゴを避けて医療機関に相談してください。シラカバ花粉と交差反応するMal d 1は熱に弱いため、加熱したリンゴなら食べられる場合が多いことも知られています。ただしリンゴには、加熱に比較的強いMal d 2やMal d 3といった別の抗原もあります。加熱すれば必ず大丈夫というわけではないので、これも医師に確認したうえで判断してください。呼吸が苦しい、飲み込みにくいといった症状が出た場合は、ただちに救急の対応が必要です。

リンゴを食べる際の注意点3つ。種・窒息リスク・花粉アレルギー
種・乳幼児の窒息・花粉食品アレルギー症候群という3つの安全上の注意点。

種・乳幼児の窒息・花粉食品アレルギー症候群という3つの安全上の注意点。

リンゴは日本へ持ち帰れる?

結論から言うと、持ち帰れません。理由は制度そのものにあります。現行の日本の植物検疫制度で、ベトナムからのりんご生果実が持ち込み禁止品に分類されているためです。

農林水産省 植物防疫所の「海外から野菜や果物を持ち込む際の規制」のベトナムのページを見ると、りんごは「持ち込めません」と明記されています。旅行者にとっての結論はひとつです。ベトナムから手荷物として持ち出すリンゴは、日本へ持ち込めません。ニュージーランド産でも米国産でも、ハノイで買ったものを手荷物で持ち帰ることはできない、ということです。

検疫条件は変わる可能性があるため、渡航時には必ず最新情報を確認してください。

ベトナムから日本へリンゴを持ち込めない理由を示す図
ベトナムから旅行者が手荷物として持ち出すリンゴは、原産国にかかわらず日本へ持ち込めない。

ベトナムから旅行者が手荷物として持ち出すリンゴは、原産国にかかわらず日本へ持ち込めない。

筆者の実食メモ

スーパーの陳列棚に並ぶニュージーランド産リンゴ
購入したスーパーの陳列棚。ニュージーランド産(Sassyブランド)のリンゴが並んでいた。

購入したスーパーの陳列棚。ニュージーランド産(Sassyブランド)のリンゴが並んでいた。

<!– 入稿時レイアウト指示: 以下4枚(購入品・半分カット/四つ切り・皮剥き)は2枚ずつ横並び(カラムブロック)にする。背景はマット黒で統一済み –>

購入したリンゴ2個を皿に置いた実物写真
実際に購入したリンゴ2個。

実際に購入したリンゴ2個。

リンゴを半分にカットした断面写真
1個を半分にカットした断面。果肉は淡い黄白色。

1個を半分にカットした断面。果肉は淡い黄白色。

リンゴをくし形4等分にした写真
もう1個はくし形に4等分。

もう1個はくし形に4等分。

皮をむいて一口大に切ったリンゴ
皮をむいて食べやすい大きさに切った状態。

皮をむいて食べやすい大きさに切った状態。

購入記録
場所:スーパー
日付:2026年9月
価格:109,988ドン(2個・0.582kg、1kgあたり約188,980ドン)

食べた感想
シャキシャキした食感で、甘みと酸味のバランスがよい。
初心者おすすめ度:★★★★★

よくある質問

皮ごと食べても大丈夫ですか?

はい。よく洗えば皮ごと食べられます。皮つきのほうが食物繊維とビタミンCを多く摂れます。輪切りにする「スターカット」なら、皮をむく手間なく食べられます。

表面の白い膜やベタつきは洗ったほうがよいですか?

リンゴ自身が分泌する天然のワックスと、収穫後に塗られる食品用の被膜があり、家庭で見分ける確かな方法はありません。いずれの場合も、流水の下で手でやさしくこすり、清潔な布かペーパータオルで水気を拭くのがFDAの示す方法です。石けんや洗剤、市販の野菜洗浄剤は使いません。

種を食べてしまっても危険ではありませんか?

通常、リンゴ1個に含まれる種を誤って丸飲みしても、中毒は考えにくいとされています。避けるべきなのは、種を噛み砕いて大量に摂ることです。なお、子どもに出すときは種を取り除いてください。

ベトナム産のリンゴはありますか?

店頭で流通するセイヨウリンゴの大部分は輸入品です。ただし、北部の高冷地では栽培の例があります。ラオカイ省サパでは「ふじ」「グラニースミス」の試験栽培が、ライチャウ省シンホーではセイヨウリンゴの栽培事例が報告されています。大規模な商業生産には至っていないため、市場で見かける機会はほとんどありません。なお、ベトナム産の「táo」として山積みで売られているものは、多くがリンゴではなくインドナツメ(táo ta)です。

日本へ持ち帰れますか?

できません。日本の植物検疫で、ベトナムからのりんご生果実は「持ち込めません」に分類されています。ベトナムから手荷物として持ち出す場合は、購入したリンゴの原産国にかかわらず持込み禁止の対象です。

まとめ

ベトナムのリンゴは、洗ってそのままかじれる、このシリーズで最も手軽な果物です。難しいのは切り方ではなく、選び方と値段の見極めです。

  • 選ぶ:硬さ、重量感、皮の破れや軟化の有無を確認する。ツヤや色の均一さ、ヘタの乾き具合は輸入リンゴでは当てにならない
  • 買う:1kgあたり6万〜38万ドンと幅が広い。まずは Gala や Fuji のような中価格帯の品種から試す
  • 切る:基本は切らずにかじる。分けるならくし形か、皮ごと食べられるスターカット(輪切り)
  • 食べる:そのまま、Nước ép táo(ジュース)、Salad táo。テトの Mứt táo は本来インドナツメを使う菓子だが、リンゴを使う現代的なアレンジもある。贈り物としても使われる
  • 洗う:流水の下で手でやさしくこすり、清潔な布かペーパータオルで水気を拭く。石けん・洗剤・野菜洗浄剤は使わない
  • 気をつける:乳幼児には芯と種を取り除き、加熱して柔らかくする、つぶす、すりおろすなど、発達段階に合う形にする(硬い生リンゴは窒息の原因になり得る)。種は噛み砕いて大量に摂らない。リンゴで口や喉に症状が出たことがある人は自己判断で試さず医療機関へ
  • 保存する:1個ずつ紙で包み、穴を開けた袋か口を閉じない袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。エチレンガスを出すため他の野菜・果物とは分ける
  • 持ち帰る:ベトナムから手荷物として持ち出すりんご生果実は、日本の植物検疫で「持ち込めません」に分類されている

まずはスーパーで、産地シールを見ながら1個買ってみてください。洗うだけで食べられるので、旅行中の手軽な果物としても頼りになります。

リンゴの購入・消費チェックリスト7項目
購入から消費までの7つのチェックポイント。

購入から消費までの7つのチェックポイント。

リンゴについてさらに知りたい人へ

  • 生態、栄養、世界とベトナムの品種、市場動向:リンゴ図鑑
  • 天山山脈の起源から禁断の果実、そしてベトナムでの現在まで、リンゴの歴史と文化:リンゴ物語
  • ベトナムで楽しめる果物の一覧:ベトナムの果物15選

参考資料

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この記事を書いた人

ベトナム・ハノイ在住。現地の市場やスーパーで実際に果物を購入し、味・旬・選び方・食べ方を紹介しています。日本ではあまり知られていない南国フルーツの魅力を、現地での体験をもとに分かりやすくお伝えします。

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