この記事の結論
ベトナムのオレンジ「Cam(カム)」は、スーパーや青空市場、ジュース屋台で購入できます。筆者が2026年8月にスーパーで購入した価格は1kgあたり50,000ドンでした。房で食べるときは皮へ縦に切れ目を入れ、ジュースにするときは横半分に切って搾ります。本記事では、値段・選び方・切り方・保存方法を実体験とともに紹介します。
| 記事タイプ | 主な比較ポイント | 向いている人 |
|---|---|---|
| 図鑑 | 分類・生態・品種・旬 | 特徴や違いを比較したい人 |
| 物語 | 原産地・歴史・文化・伝説 | 背景まで深く知りたい人 |
| 食べ方この記事 | 選び方・切り方・保存方法 | 買って実際に楽しみたい人 |
ベトナムのオレンジを買う場所・値段・選び方から、切り方、保存、薬との相互作用まで紹介します。
ベトナムのオレンジ「Cam(カム)」は、スーパーや青空市場、ジュース屋台で購入できます。筆者が2026年8月にスーパーで購入した価格は1kgあたり50,000ドンでした。房で食べるときは皮へ縦に切れ目を入れ、ジュースにするときは横半分に切って搾ります。本記事では、値段・選び方・切り方・保存方法を実体験とともに紹介します。
姉妹記事のオレンジ図鑑では、オレンジがミカン科の常緑小高木で、マンダリンとザボンの系統が複雑に交わって成立した栽培柑橘であることを紹介しました。オレンジ物語では、コロンブスの航海やポルトガル人が普及に果たした役割、ベトナムのことわざを紹介しました。実際にベトナムでオレンジを買って食べようとすると、「皮が緑色でも熟れているの?」「そのまま食べるのとジュースにするのとで切り方は違うの?」と感じる人も多いはずです。
オレンジは、房に分けて食べるなら外皮をむき、ジュースにするなら横半分に切って搾ります。目的に応じて下ごしらえを変えると、食べやすくなります。
この記事では、ベトナムでオレンジを「見つける→値段を確認する→選ぶ→切る→食べる→保存する」という順番で紹介します。
A Botanical Field Guide for Travelers。緑の皮に隠された極上の果汁を楽しむための実践ガイド。
ベトナムのオレンジの値段・食べ方早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ベトナム語名 | Cam |
| 読み方の目安 | カム |
| 味 | 酸味と甘みのバランスがよい(品種により差がある) |
| 食感 | プリッとしたジューシーな果肉 |
| 買える時期 | 通年見かけるが、品種ごとに旬が異なる |
| 価格の一例 | 1kgあたり50,000ドン(筆者が2026年8月に購入した例) |
| 買いやすい場所 | スーパー、青空市場、路上の果物売り、ジュース屋台 |
| 基本の食べ方 | 皮をむいて房に分けて食べる、または横半分に切って搾る |
| 現地らしい食べ方 | Nước cam/Cam vắt(生搾りジュース)、Cam vắt mật ong(はちみつ入り) |
| 初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
※価格は購入場所、時期、品種、等級によって変わります。購入時に店頭表示を確認してください。

Camの特徴は品種や産地で異なる。色だけでなく、重さ・張り・香り・傷みも確認したい。
ベトナム語でオレンジは「Cam」
オレンジ類はベトナム語で「cam(カム)」と呼びます。代表的な「cam sành(カムサイン)」は、資料によって学名や園芸分類の表記が一定しておらず、スイートオレンジ(Citrus × sinensis)と同一とは限りません。それでもベトナムでは日常的に「cam」として親しまれています。まずは「cam」と覚えておけば、市場やスーパーで探すときに役立ちます。
ベトナムのオレンジの味と皮の色
ベトナムで流通するオレンジは、酸味と甘みのバランスがよく、プリッとしたジューシーな果肉が特徴です。品種や産地によって甘さや酸味の強さは変わります。
一つ覚えておきたいのが、皮の色だけでは熟度を判断しにくいという点です。温暖な地域で育った柑橘は、熟しても皮に緑色が残ることがあります。一方、ベトナム北部のcam sànhには、熟すと黄緑色や黄色へ変わるものもあります。見た目の色だけで「緑だから未熟」「黄色だから完熟」と決めつけず、重さ、張り、香り、傷みの有無をあわせて確認してください。
ベトナムのオレンジの値段と買える場所
筆者は2026年8月にスーパーで、1kgあたり50,000ドンの商品を購入しました。価格は地域、季節、品種、等級によって変わるため、この金額は購入例として参考にしてください。
青空市場・路上の果物売り
かごや山積みで売られていることが多く、手に取って重さを確かめながら選べます。
スーパー
重さと値段を確認しやすく、ネット袋に入った商品も見かけます。市場での会話に不安がある人にも向いています。
ジュース屋台
生搾りジュース専門の屋台や、飲み物屋台の一角でオレンジを山積みにし、「cam vắt」「cam tươi」の看板を掲げている店を見かけます。買ってすぐ飲みたいときに便利です。

どこで買う?購入スポット別アプローチ。目利きを楽しみたいなら市場、安心感ならスーパー、すぐ飲みたいならジュース屋台。
おいしいオレンジの選び方
オレンジは、皮の色だけでなく、いくつかのポイントを組み合わせて確認すると失敗しにくくなります。
- 重さ: 同じくらいの大きさなら、持ってみてずっしりと重いほうが果汁が多く詰まっています。見た目のわりに軽いものは、果肉がスカスカで果汁が少ない可能性があります
- 皮の状態: 皮に張りがあり、ぶよぶよしていないものを選びます。cam sànhはもともと表面が粗いため、凹凸の有無だけで良否は判断できません
- 香り: ヘタの周辺に自然な柑橘の香りがあるかを確かめます
- 傷み: カビ、汁漏れ、深い傷、広がった軟らかい部分があるものは避けます。緑や黄色といった地色だけで熟度を決めつけないことが大切です
これらはあくまで経験則による目安であり、必ず正確に見分けられるとは限りません。複数の条件を組み合わせて確認するのがコツです。

選ぶときは重さ・張り・香りを確かめ、カビや液漏れ、深い傷、強い軟化を避ける。
ベトナムのオレンジの切り方は2通り
オレンジは、食べ方によって切り方が変わる、このシリーズでも珍しい果物です。

目的で変わる、2つのアプローチ。オレンジは食べ方によって「切り方」のルートが完全に分岐する珍しい果物。
房に分けてそのまま食べる場合
- 表面をよく洗います
- 上下のヘタとお尻の部分を少し切り落とします
- 皮に縦方向の切り込みを4〜6本、実に届かない程度の深さで入れます
- 切り込みに沿って、手で皮をむきます
- 果肉についた白い筋(アルベド)を軽く取り除きながら、房ごとに分けて食べます

食べ方A:そのまま「房」で楽しむカッティング。皮に4〜6本の切り込みを入れ、実に届かない深さに気をつけながら手で剥いていく。
搾ってジュースにする場合
- 表面をよく洗います
- 果実の赤道(中心線)に沿って、横半分に切ります
- 断面を下にして手やレモン搾り器で搾るか、専用の柑橘搾り器(dụng cụ vắt cam)を使って果汁を搾り出します
- 種が入らないよう、ザルなどで濾しながらグラスに注ぎます

食べ方B:搾って「ジュース」にするカッティング。縦切りにせず、必ず赤道(中心線)に沿って横半分に切るのがコツ。
ベトナムで定番のオレンジの食べ方
1.房に分けてそのまま食べる
もっとも手軽な食べ方です。皮をむいて房に分け、そのままかじります。
2.Nước cam/Cam vắt(生搾りジュース)
ベトナムの街角で広く親しまれている定番の飲み物です。価格は店、地域、量、氷や砂糖の有無によって変わるため、注文前に表示を確認しましょう。「砂糖なし」は「không đường(ホン・ドゥオン)」、「氷なし」は「không đá(ホン・ダー)」が目安です。
3.Cam vắt mật ong(はちみつ入りオレンジジュース)
生搾りジュースにはちみつを加えた飲み物です。風邪気味のときや喉の調子が気になるときの、家庭での定番の飲み方としても親しまれています。

現地流の楽しみ方。ジュースは衛生状態を確認し、作りたてを早めに飲む。
オレンジの保存方法
- 丸ごと保存する場合: 直射日光と高温多湿を避けます。室温が高いベトナムでは、長く置かず、乾いた状態で冷蔵するほうが安心です。袋に密封して結露させないよう注意してください
- 切った後: 清潔な容器に入れて冷蔵し、できるだけ早く食べ切ります。搾ったジュースも、作ったまま室温に放置せず、すぐに飲むか冷蔵してください

丸ごとは乾いた涼しい場所へ。高温多湿なら冷蔵し、切った後や搾った後は密閉して早めに使い切る。
オレンジを食べるときの注意点
酸味のある果物や果汁で胃に不快感が出る人は、一度に大量にとるのを避けましょう。また、酸性の飲食物を頻繁に長時間口に含むと、歯の酸蝕の一因になります。米国歯科医師会は、酸性の飲食物の後は水ですすぎ、直後の歯磨きを避ける方法を案内しています。

食べる際の注意点(胃と歯への影響)。空腹時の大量摂取を避け、食後はうがいや歯磨きのタイミングに気をつける。
一般的なスイートオレンジは、グレープフルーツと同じCYP3A4阻害による相互作用を通常は起こさないとされています。ただし、FDAはセビルオレンジ、ポメロ、タンジェロがグレープフルーツと同様に作用する可能性を案内しています。また、一部の薬はスイートオレンジを含む果汁によって吸収が変わることがあります。「cam」という販売名だけでは品種を判別できない場合もあるため、服用中の薬に果物・果汁の注意書きがある人は、自己判断せず医師または薬剤師に確認してください。

薬によって影響を受ける果物や仕組みは異なる。「スイートオレンジなら必ず安心」とは限らない。
ベトナム産の生オレンジは日本へ持ち帰れる?
植物防疫所の旅行者向け案内では、ベトナムから「オレンジ等のかんきつ類」の生果実は日本へ持ち込めないとされています。輸入解禁要請の有無ではなく、携行品に適用される規制一覧を直接の根拠とするのが適切です。
検疫条件は変わる可能性があるため、渡航時には必ず最新情報を確認してください。

ベトナム産の生の柑橘類は日本へ持ち込めない。渡航前に植物防疫所の最新条件を確認する。
筆者の実食メモ

スーパーの陳列棚に山積みにされたオレンジ(2026年8月撮影)。1個ずつバーコードシールが貼られている。

5個入りの透明なパックで購入したオレンジ。皮は黄色〜オレンジ色で、大きさがそろっている。
購入記録
場所:スーパー
時期:2026年8月
価格:50,000ドン/kg
食べた感想
粒々(プチプチ)とした食感で、やや繊維感もあり、甘酸っぱい酸味が印象的でした。
姉妹記事ベトナムの果物15選にはオレンジの実食記録がなく、ほかのTABEKATA記事のように流用できる実食データがありませんでしたが、運営者の実際の購入・実食により上記のとおり確定しました。
よくある質問
ベトナムのオレンジはいくらですか?
筆者が2026年8月にスーパーで購入した例は、1kgあたり50,000ドンでした。価格は地域、季節、品種、等級、購入場所で変わるため、店頭表示を確認してください。
一年中買えますか?
通年見つけやすい果物です。
皮の色が緑でも大丈夫ですか?
大丈夫な場合があります。温暖な地域で育った柑橘は、熟しても緑色が残ることがあります。一方、熟すと黄緑色や黄色へ変わるcam sànhもあります。色だけで判断せず、重さ、皮の張り、香り、傷みの有無をあわせて確認しましょう。
皮をむく必要はありますか?
そのまま房に分けて食べる場合は皮をむく必要があります。ジュースにする場合は、横半分に切って搾るだけで、皮をむく手間はかかりません。
オレンジはどの向きに切りますか?
房で食べる場合は上下を薄く落として皮へ縦に切れ目を入れます。ジュースにする場合は、房を横切るように中央で横半分に切ると搾りやすくなります。
日本へ持ち帰れますか?
生のかんきつ類は、植物防疫所の案内でベトナムから日本へ持ち込めない品目とされています。ベトナム滞在中に楽しみましょう。
まとめ
ベトナムのオレンジは、房に分けてそのまま食べるか、搾ってジュースにするかで切り方が変わる、少し個性的な果物です。
- 選ぶ:重さ、皮の張り、香り、傷みの有無を確認する。皮の地色だけで熟度を決めつけない
- 切る:房で食べるなら皮に切り込みを入れて手でむく、ジュースにするなら横半分に切って搾る
- 食べる:そのまま房で、またはNước cam(生搾りジュース)、Cam vắt mật ong(はちみつ入り)で楽しむ
- 気をつける:酸味で胃に不快感が出る人は大量摂取を避ける。薬を服用中の人は、品種を自己判断せず医師または薬剤師に確認する
- 保存する:高温多湿を避け、長く置く場合は乾いた状態で冷蔵する。切った後やジュースはすぐに冷蔵し、早めに消費する
- 持ち帰る:ベトナム産の生のかんきつ類は日本へ持ち込めない
市場やジュース屋台で見かけたら、まずは重さ、皮の張り、香りを確かめ、傷みのない1個を選びましょう。房で味わうかジュースにするかは、その日の気分で選んでみてください。

選ぶ・食べる・搾る・保存するを1枚で確認できるCamの実用メモ。
オレンジについてさらに知りたい人へ
- 生態、栄養、世界とベトナムの品種、市場動向:オレンジ図鑑へ
- 古代中国の知恵からベトナムのことわざまで、オレンジの歴史と文化:オレンジ物語へ
- ベトナムで楽しめる果物の一覧:ベトナムの果物15選へ
参考資料
- bachhoaxanh.com「Cách chọn cam thơm ngon, bao ngọt không bị chua」、btaskee.com「5 Cách Chọn Cam Sành Ngon Ngọt, Nhiều Nước」
- danang.style「ベトナムでトライしたい搾りたてオレンジジュース屋台」、gucci-vietnam.com「マックディンチー通りに並ぶ生搾りオレンジジュースの屋台」
- 米国食品医薬品局(FDA)「Grapefruit Juice and Some Drugs Don’t Mix」
- 米国歯科医師会(ADA)「Dental Erosion」
- 植物防疫所「ベトナム」
