この記事の結論
ベトナムのパイナップルの選び方、切り方、現地での楽しみ方を紹介するタイトル画像。
| 記事タイプ | 主な比較ポイント | 向いている人 |
|---|---|---|
| 図鑑 | 分類・生態・品種・旬 | 特徴や違いを比較したい人 |
| 物語 | 原産地・歴史・文化・伝説 | 背景まで深く知りたい人 |
| 食べ方この記事 | 選び方・切り方・保存方法 | 買って実際に楽しみたい人 |
ベトナムのパイナップルの選び方、らせん状の切り方、現地の食べ方と保存方法を紹介します。
ベトナムのパイナップルの選び方、切り方、現地での楽しみ方を紹介するタイトル画像。
ベトナムの市場を歩いていると、くるくるとしたらせん模様に皮をむいた、小ぶりなパイナップルを見かけます。日本で見る切り方とは違うため、「このまま食べるの?」「どうやって注文するの?」と気になる人も多いでしょう。
パイナップルはベトナムで通年見つけやすく、初めて現地の果物を試す人にも選びやすい一品です。甘酸っぱくて果汁が多く、そのまま味わうほか、塩唐辛子を添えたり、魚料理や酸味のあるスープに加えたりします。
この記事では、ベトナムのパイナップルの食べ方を「見つける→値段を確認する→選ぶ→切る→食べる→保存する」という順番で紹介します。市場での注文から、らせん状の切り方、塩唐辛子やベトナム料理での楽しみ方まで分かります。
購入と食べ方の早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ベトナム語名 | Dứa、Thơm、Khóm |
| 読み方の目安 | ズア、トム、コム |
| 味 | 甘味と酸味があり、香りが強い |
| 食感 | 適度な歯応えがあり、果汁が多い |
| 買える時期 | 通年。産地や栽培時期によって量と状態は異なる |
| 価格の一例 | 1個25,000ドン(筆者が2026年7月5日に青空市場で購入。皮むき込み) |
| 買いやすい場所 | 市場、路上の果物売り、スーパー、果物専門店 |
| 基本の食べ方 | 皮と目を取り除き、食べやすい大きさに切る |
| 現地らしい食べ方 | 塩唐辛子やエビ塩を少量付ける |
| 初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
ベトナム語では「Dứa」「Thơm」「Khóm」
ハノイなど北部では、パイナップルを主に「Dứa(ズア)」と呼びます。南部では「Thơm(トム)」や「Khóm(コム)」という名前もよく使われます。
ただし、地域によっては「Thơm」と「Khóm」を実の大きさや葉のとげなどで呼び分けることがあります。「北部はDứa、南部はThơm」と完全に一つずつ対応するわけではありません。旅行中は、三つともパイナップルを探す言葉として覚えておくと便利です。
市場で皮をむいてほしいときは、次のように伝えられます。
Gọt giúp tôi nhé.
ゴッ・ズップ・トイ・ニェ(皮をむいてください)
発音が心配な場合は、文章をスマートフォンで見せるだけでも通じやすくなります。
食べる前に知りたい味と食感
ベトナムで流通するパイナップルは、甘味と酸味の両方を感じる、香りのよい果物です。小ぶりな実は食べ切りやすく、適度な歯応えと果汁の多さを楽しめます。
品種や熟し具合によって、甘味、酸味、繊維の強さは変わります。黄色い果肉でも酸味が強いものがあり、同じ売り場で買っても味が少しずつ違うところが、生の果物のおもしろさです。
ベトナム航空の旅行ガイドでは、パイナップルは通年手に入る果物として紹介されています。産地や品種によって収穫期が異なるため、旬を一つの時期に限定せず、売り場で状態のよい実を選ぶのが現実的です。
値段はいくら?どこで買える?
筆者が2026年7月5日にハノイの青空市場で購入した記録では、1個25,000ドン(皮むき込み)でした。これは当時の一例で、実の大きさ、品種、購入場所、皮むきの有無によって価格は変わります。
青空市場・路上の果物売り
皮と「目」をその場で取り除いてくれることがあり、ベトナムらしい買い方を体験できます。値札がない場合は、注文前に金額を確認しましょう。
スーパー
値段と重さを確認しやすく、カット済みの商品も選べます。市場での会話に不安がある人や、衛生状態を見比べて買いたい人に向いています。
果物専門店・配達アプリ
産地や品種を確認しやすい反面、市場より価格が高い場合があります。表示価格の単位が「1個」か「1kg」かも確認してください。
市場で値段を尋ねるときは、次の表現が使えます。
Một quả này bao nhiêu?
モッ・クア・ナイ・バオ・ニュー(これは1個いくらですか)
おいしいパイナップルの選び方
パイナップルは、バナナやマンゴーのように、収穫後に置くことで甘みが増す果物ではありません。UC Davisは、収穫後に果肉の品質が向上するタイプではないため、食べ頃に収穫する必要があると説明しています。

皮に近い部分と底側に甘みが集まりやすい傾向を示したイメージ。
皮のすぐ内側や底側は甘みを感じやすいことがあります。ただし、甘さの分布は品種や熟度によって異なるため、この図は目安として見てください。皮を薄くむくと果肉を多く残せますが、表面に残った硬い目は斜めにV字に取り除きます。

丸ごとのパイナップルとカットフルーツの違い。
丸ごとの実は切り口がなく、香り、重さ、皮や葉の状態を自分で確認できるのが利点です。カット済みはすぐ食べられて便利ですが、切った時点から乾燥や傷みが進みやすいため、清潔に扱われているものを選び、購入後は早めに冷蔵して食べ切ります。
選ぶときは、次の点をまとめて確認します。
- 実の底から甘い香りがする。発酵したような強すぎるにおいは避ける
- 大きさの割にずっしりと重い
- 葉が緑色でまっすぐ伸び、極端に乾燥したり傷んだりしていない
- 全体の形が整い、下部にもほどよい張りがある
- 皮に張りがあり、下側に黄色みが見える。網目が均一で、極端に柔らかい部分がない
- 汁漏れ、カビ、深い傷、黒く沈んだ部分がない
皮や葉の見た目は品種や流通状態でも変わるため、「全体が黄色」「葉が簡単に抜ける」といった一つの条件だけでは判断できません。香り、重さ、形、傷みの有無を合わせて確認してください。

失敗しにくいパイナップルの選び方。
ベトナムでよく見られるらせん状の皮むき
パイナップルの皮を薄くむくと、茶色く硬い「目」が果肉に残ります。ベトナムでは、この目が斜めに並ぶ方向に沿って、V字の溝を連続して入れます。果肉を削りすぎずに目を取り除けるため、表面がらせん模様になります。
市場の売り手が迷いなく包丁を動かす様子も見どころです。旅行中にすぐ食べるなら、自分で丸ごと切るより、その場でむいてもらうほうが手軽です。

ベトナムでよく見られる、目を取り除いてらせん状に仕上げる皮むき方法。
自分で皮をむく6つの手順
切る直前に皮の表面を流水で洗い、清潔で安定したまな板と、よく切れる包丁を用意します。葉を飾りや器に使う場合は、葉の根元を少し残して切り分けておくと扱いやすくなります。

切る前の準備と基本ルール。
- パイナップルを横に置き、葉の付け根側と底側をそれぞれ1〜2cmほど切り落とします。
- 切った底を下にして、まな板の上に立てます。
- 果肉の丸みに沿い、包丁を上から下へ動かして、果肉を削りすぎないように皮をむきます。

皮むき手順1〜3。
- 斜めに並ぶ目を、V字の溝になるように取り除きます。
- 縦に4等分し、必要に応じて中央の硬い芯を切り取ります。
- 一口大、薄切り、スティック状など、食べやすい大きさにします。

皮むき手順4〜6。
底を平らにしてから作業し、よく切れる包丁を使うのが安全に切るコツです。芯は硬さが気にならなければ薄く切って食べられます。
現地で試したい4つの食べ方
1.そのままで食べる
最初の一口は何も付けず、甘味、酸味、香りを確かめます。冷やすと、暑い日のカットフルーツとして食べやすくなります。

切り方別の仕上がりと難易度の比較。
角切りは最も手軽で、旅行中にすぐ食べたいときにも向いています。ベトナムでよく見るらせん切りは、斜めに並ぶ目だけをV字に取るため、果肉を残しやすく見た目も華やかです。輪切りや放射状の盛り付けでは、品種や熟度によっては芯が柔らかいこともあるため、薄く切って一緒に食べられます。
2.塩唐辛子をつける
ベトナムでは、果物に「Muối ớt(塩唐辛子)」や「Muối tôm(エビ塩)」を付ける食べ方があります。少量の塩気と辛味が加わり、甘酸っぱさがはっきりします。最初は付けすぎず、皿の端で少しずつ試すのがおすすめです。

3.料理に使う
酸味が残るパイナップルは、スープ「Canh chua」や魚の煮込み料理などにも使われます。甘い実を果物として味わうだけでなく、料理の味を整える材料にもなるのがベトナムらしいところです。

パイナップルや魚、トマトなどを使った、ベトナムの酸味のあるスープ「Canh chua(カインチュア)」。

エビとパイナップルを合わせたサラダ「Gỏi tôm thơm(ゴイ・トム・トム)」の一例。エビせんべい「Bánh phồng tôm(バイン・フォン・トム)」を添えることもあります。

パイナップル入りのチャーハン「Cơm chiên khóm(コム・チェン・クォム)」の一例。
4.ジュースやスイーツで楽しむ
果汁の多いパイナップルは、ジュースやスムージーのほか、アイスバー、シャーベット、ゼリーなどのスイーツにも使えます。冷やした果肉を添えれば、暑い日のさっぱりしたデザートとして楽しめます。

パイナップルを使ったジュース、スムージー、シャーベット。
食事・飲み物の参考価格
次の価格は、筆者がベトナムで実際に見聞きした価格帯をもとにした、2026年8月時点の目安です。都市、店の種類、量、食材によって異なり、税金やサービス料が別に加算される店もあります。
| メニュー | 参考価格 | 補足 |
|---|---|---|
| Canh chua(カインチュア) | 200,000〜300,000ドン | 魚やエビの種類、量、店によって変わる |
| Gỏi tôm thơm(ゴイ・トム・トム) | 150,000〜250,000ドン | エビの量や店によって変わる |
| Cơm chiên khóm(コム・チェン・クォム) | 100,000〜200,000ドン | 海鮮入りや果実を器に使う盛り付けは高くなりやすい |
| ジュース・シャーベット・スムージー | 40,000〜100,000ドン | 店舗、サイズ、乳製品やトッピングの有無で変わる |
パイナップルを使った盛り付け

パイナップルを華やかに見せる盛り付け例。
皮を細長い器として残して果肉をずらして並べたり、縦半分に切った実をくり抜き、皮を器にしてフルーツや炒飯を盛ったりすると、南国らしい見た目になります。器に使う皮は切る前によく洗い、料理を長時間入れたままにしないようにします。
保存方法とカットフルーツの注意点
丸ごとのパイナップルは、買ってから長く置いて甘くしようとせず、状態のよいうちに食べます。暑いベトナムでは室温が高くなりやすいため、購入後は直射日光を避け、早めに切って食べましょう。
切った後は清潔な密閉容器に入れて冷蔵し、できるだけ早く食べ切ります。USDAは一般的な食品安全の目安として、切った果物など傷みやすい食品を室温に2時間以上、気温が約32℃を超える環境では1時間以上置かないよう案内しています。市場で皮をむいてもらった場合も、持ち歩く時間を短くしましょう。

食べる時期に合わせた保存方法。
- 数日以内に丸ごと食べる:直射日光と高温を避け、状態のよいうちに切る。暑い環境では冷蔵し、長く置いて追熟させようとしない。
- 切ってから食べる:清潔な密閉容器に入れてすぐ冷蔵し、2〜3日を目安に、においや汁漏れも確認して早めに食べる。
- 長めに保存する:一口大に切って重ならないように冷凍する。約1か月を品質の目安とし、解凍後は食感が柔らかくなるため、スムージーや加熱料理に使う。
皮と芯を飲み物に活用する場合

皮と芯を使った飲み物の例。
パイナップルの皮や芯を、水、しょうが、シナモンなどと煮出し、香りを楽しむ飲み方があります。使う場合は切る前に皮をよく洗い、カビや傷みのある部分は避け、十分に加熱して早めに飲み切りましょう。
舌や口がヒリヒリするのはなぜ?
パイナップルの果実と茎には、たんぱく質を分解する酵素群「ブロメライン」が含まれます。果実の酸味も加わり、生のパイナップルを多く食べたときに、舌や唇がヒリヒリすると感じる人がいます。
舌や口に軽いピリピリ感が出た場合でも、いったん食べるのをやめてください。無理に食べ続けたり、同じ果物をすぐに食べ直したりせず、症状が続く、繰り返す、または広がる場合は医療機関に相談してください。旅行中は無理に再挑戦せず、体調に合う別の果物を選びましょう。
じんましん、顔・舌・唇・喉の腫れ、息苦しさ、せきや喘鳴、繰り返す嘔吐、めまい、意識が遠のくなどの症状は、重いアレルギー反応(アナフィラキシー)の可能性があります。症状が自然に治まるのを待たず、すぐに食べるのをやめ、緊急の医療支援を求めてください。ベトナムの救急車は「115」ですが、外務省はベトナム語での対応や搬送先を指定できない場合があると案内しています。滞在先、海外旅行保険の窓口、外国人が利用しやすい医療機関の連絡先も、あらかじめ確認しておくと安心です。
生のパイナップルは日本へ持ち帰れる?
ベトナム産の生のパイナップルを、旅行者が何の手続きもせず日本へ持ち帰ることはできません。
農林水産省植物防疫所の品目別案内では、ベトナムからのパイナップルには「輸出国政府機関が発行した検査証明書」と「日本到着時の植物検疫」が必要です。お土産用に店で買っただけでは条件を満たさないため、旅行者は現地で食べ切るのが現実的です。
検疫条件は変わる可能性があります。この記事は2026年9月10日に農林水産省植物防疫所の公式ページで内容を確認していますが、渡航時には必ず最新情報を確認してください。
筆者の実食メモ


(左)ハノイの街の市場の様子。手前が皮付きのパイナップル、奥の黄色い網袋が皮をむいた状態のパイナップル。(右)実際に購入し、らせん状に皮をむいて食べたパイナップル(ベトナムの果物15選と共通の写真)。
購入記録
場所:ハノイの青空市場
日付:2026年7月5日
価格:1個25,000ドン(皮むき込み)
食べた感想
濃厚な甘みと強い香りがあり、果肉はジューシーでした。小ぶりで適度な歯応えもあります。らせん状に目を取った姿も印象的で、ベトナムで初めて果物を買う人にも試しやすい一品です。
初心者おすすめ度:★★★★☆
パイナップルを使ったジュースやスイーツも、カフェで試しました。


(左)カフェで食べたパイナップルのアイスシャーベット。(右)カフェのパイナップルジュース(45,000ドン)。
よくある質問
ベトナムでは一年中買えますか?
通年見つけやすい果物です。ただし、産地、品種、栽培時期によって量と品質は変わります。
買ってから置けば甘くなりますか?
収穫後に置くことで甘みが増す果物ではありません。買うときに香り、重さ、傷みの有無を確認し、状態のよい実を選びます。
皮をむいてもらえますか?
市場や路上の果物売りでは、その場でむいてくれることがあります。「Gọt giúp tôi nhé」と伝えるか、むいている実や皮むきの動作を指して確認してください。
芯は食べられますか?
食べられますが、周囲の果肉より硬く繊維を感じやすい部分です。薄く切るか、硬ければ取り除きます。
日本へ持ち帰れますか?
生果実には検査証明書と到着時の植物検疫が必要です。手続きなしでは持ち帰らず、ベトナム滞在中に食べ切りましょう。
まとめ
ベトナムのパイナップルは、市場やスーパーで買いやすく、その場で皮をむいてもらうこともできる果物です。
- 選ぶ:収穫後に甘みが増す果物ではないため、香り、重さ、葉、形、傷みを購入時に確認する
- 切る:皮を洗い、安定したまな板で、基本の6手順またはベトナムでよく見られるらせん切りにする
- 食べる:そのまま、塩唐辛子、サラダ、炒飯、スープ、ジュースなどで楽しむ。盛り付けには皮も活用できる
- 保存する:切ったらすぐ冷蔵し、長めに保存する場合は冷凍して加熱料理やスムージーに使う
- 活かす:傷みのない皮や芯は、よく洗って加熱し、香りを楽しむ飲み物に使う
- 持ち帰る:生果実の日本への持ち帰りには検査証明書と植物検疫が必要
市場で見つけたら、まずは食べ切りやすい小ぶりな一個から試してみてください。目の前で皮をむいてもらえば、味だけでなくベトナムらしい包丁仕事も楽しめます。

パイナップルの選び方から活用までの総まとめ。
パイナップルについてさらに知りたい人へ
- 生態、品種、栄養、旬などの基本情報:パイナップル図鑑|生態・品種・栄養・旬をわかりやすく解説へ
- 歴史、名前の由来、世界への広がり、ベトナムの昔話:パイナップル物語|歴史・名前の由来・世界の伝説をたどるへ
参考資料
- Vietnam Airlines「Discovering Top 20 Vietnam’s Tropical Treasures」
- Tuổi Trẻ「Củ hũ khóm – món quê dễ ghiền」
- UC Davis Postharvest Research and Extension Center「Pineapple」
- USDA FSIS「Keep Food Safe! Food Safety Basics」
- NIH NCCIH「Bromelain: Usefulness and Safety」
- U.S. FDA「Food Allergies」
- 外務省「世界の医療事情 ベトナム」
- 農林水産省 植物防疫所「ベトナム」