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ベトナムのリンゴの食べ方|選び方・洗い方・切り方・保存

リンゴの食べ方ガイドの表紙。選び方・切り方・保存・安全の4項目

ベトナムでリンゴを買うとき、どの品種を選び、いくらを目安にすればよいのでしょうか。店頭にはさまざまな産地の輸入リンゴが並び、同じリンゴでも価格や味わいに大きな違いがあります。

食べ方そのものは手軽です。噛む力に問題のない大人なら、流水でよく洗い、そのままかじることもできます。切り分ける場合も、くし形や輪切りなど、難しい下ごしらえは必要ありません。

迷いやすいのは、むしろ買う段階です。小売事業者のKingfoodmartが2026年4月に公表した参考価格には、1kgあたり6万ドンから38万ドンまでの開きがありました。また、「táo」という呼び名がリンゴとは別の果物を指すこともあります。

この記事では、品種と値段の見方から、選び方・洗い方・切り方・保存方法まで、買って食べる順番に紹介します。リンゴの栽培や呼び名についてはリンゴ図鑑、歴史や贈り物としての背景についてはリンゴ物語もご覧ください。

ベトナムでのリンゴの参考価格帯を示す図。1kgあたり6万〜38万ドン
食べるのは簡単。買う値段は大きく変わる。参考価格はKingfoodmartが2026年4月に掲載したもの。

この記事では、ベトナムでリンゴを「見つける→値段を確認する→選ぶ→切る→食べる→保存する」という順番で紹介します。

目次

購入と食べ方の早見表

項目 内容
ベトナム語名 táo tây。主に南部では bôm とも(単に táo とも呼ばれる)
読み方の目安 タオタイ、ボム
味 品種による。甘い系(Fuji・Envy・Gala)から酸っぱい系(Granny Smith)まで幅がある
食感 シャキシャキとした歯ざわり
買える時期 通年(輸入品のため。テト前は贈答需要で品ぞろえが増える)
価格の一例 1kgあたり60,000〜380,000ドン(品種・産地・店による。Kingfoodmartが2026年4月に公表した参考価格)
買いやすい場所 スーパー、輸入果物専門店、オンライン
基本の食べ方 洗ってそのままかじる。切るならくし形かスターカット(輪切り)
よく見かける食べ方 Nước ép táo(ジュース)、Salad táo(サラダ)、Mứt táo(砂糖漬け。伝統的にはインドナツメを使い、セイヨウリンゴ版は現代的なアレンジ)
手軽さの目安 洗って食べられる。硬い生リンゴは乳幼児にそのまま出さない

ベトナム語では「táo tây」、南部では「bôm」

リンゴはベトナム語で「táo tây(タオタイ)」と呼びます。「tây」は「西洋の」という意味です。もう一つ「bôm(ボム)」という呼び方もあり、こちらはフランス語の pomme が由来ですが、辞書では方言・地域語として扱われ、主に南部で使われる呼び名です。リンゴを明確に伝えたいときは「táo tây」と言い、現物や表示も確認するとよいでしょう。

買い物のときに注意したいのが、「táo」だけで呼ばれる場合です。リンゴ図鑑で紹介したとおり、ベトナムには「táo ta(タオター)」と呼ばれる別の果物があります。学名を Ziziphus mauritiana という、日本語ではインドナツメと呼ばれる小ぶりの果物で、ニンズアン地域(旧ニンズアン省、現カインホア省)の特産です。

実際、ベトナムの小売店が公開している価格表を見ると、「táo xanh Ninh Thuận(ニンズアン地域の青いtáo)」というインドナツメが、輸入リンゴと同じ「táo」の一覧に並んでいます。リンゴが欲しいときは「táo tây」と言うか、現物を指さすのが確実です。

táo tây(セイヨウリンゴ)とtáo ta(インドナツメ)を見分ける図
「táo」という言葉が指す果物は一つではない。確実に買うには「táo tây」と伝えるか、現物を指さす。

リンゴの品種別の味と食感|Gala・Fuji・Envyなど

ベトナムの店頭に並ぶリンゴは、産地も品種もさまざまです。よく見かけるものを挙げると、次のようになります。

  • Gala(ガラ): 米国産・ニュージーランド産が中心。甘みが穏やかで食べやすく、値段も手ごろな入門向け
  • Fuji(フジ): 米国産・日本産。日本生まれの品種で、甘みが強いのが特徴。産地や成熟度、貯蔵の条件によっては蜜が見られることもあります
  • Envy(エンヴィー): 米国産・ニュージーランド産。甘みが強く果汁が多く、高価格帯で販売されることが多い
  • Granny Smith(グラニースミス): 米国産・ニュージーランド産の青リンゴ。はっきりした酸味があり、サラダや加熱調理に向く
  • Rockit(ロキット): ニュージーランド産の小型品種。手のひらサイズで、筒状の容器に数個入りで売られる。皮ごと丸かじりしやすい

甘いものを求めるなら Fuji か Envy、さっぱりした酸味が好きなら Granny Smith、迷ったら Gala、というのが目安です。

ベトナムのリンゴの値段と購入場所

ベトナムの小売価格の目安として、食品スーパーのKingfoodmartが2026年4月22日に掲載した参考価格を紹介します(1kgあたり)。同ページはスーパーと高級果物店での参考価格をまとめたものですが、調査店舗数や個々の価格の取得日は示されていません。あくまで、一つの小売事業者が示した目安として見てください。同じ Fuji でも産地、等級、大きさ、包装単位などによって価格は変わります。

品種・区分 掲載例の産地 スーパーの参考価格(ドン/kg) 高級店の参考価格(ドン/kg)
Gala 米国・ニュージーランド 60,000〜90,000ドン 90,000〜130,000ドン
Fuji(赤) 米国・日本 70,000〜120,000ドン 130,000〜200,000ドン
Granny Smith(青リンゴ) 米国・ニュージーランド 90,000〜120,000ドン 120,000〜155,000ドン
Dazzle ニュージーランド 100,000〜150,000ドン 145,000〜200,000ドン
Envy 米国・ニュージーランド 180,000〜280,000ドン 250,000〜380,000ドン
Rockit(小型) ニュージーランド 180,000〜250,000ドン 249,000〜320,000ドン
オーガニック フランス・米国・オーストラリア 90,000〜150,000ドン 180,000〜350,000ドン

出典:Kingfoodmartの参考価格表(資料の更新日:2026年4月22日、再確認日:2026年10月8日)。産地欄は掲載例で、各品種の全生産国を示すものではありません。「オーガニック」は品種ではなく栽培・認証上の区分です。価格は季節・為替・セール・等級・包装単位で変わるため、購入時の表示を確認してください。

同じ「リンゴ」でも、Gala と Envy のように、品種によって数倍の差が出る場合があります。品種のブランド価値だけでなく、産地、等級、大きさ、包装、販売経路、輸送・保管のコストなどが価格に影響します。まずは Gala や Fuji のような中価格帯の品種から試して、好みが分かってから高級品種に進むのが無難です。

好み・用途 選ぶときの目安
甘みを重視 Fuji、Envy
穏やかな甘さ・手ごろさ Gala
はっきりした酸味 Granny Smith
小さめの実を選びたい Rockit

味は成熟度・貯蔵条件でも変わります。価格は上の参考価格表と、購入時の表示で確認してください。

スーパー

WinMart、Big C/GO!、Lotte Mart などの大型スーパーでは、量り売りと袋詰めの両方が並びます。産地シールが貼られており、値段も明示されているので、初めての人にはいちばん分かりやすい場所です。

輸入果物専門店

Klever Fruits、Farmers Market といった輸入果物のチェーン店では、品種のそろえ方が細かく、贈答用の化粧箱も扱っています。価格はスーパーより高めですが、贈答用の商品を比較しやすいのが利点です。価格の高さだけで鮮度や品質が保証されるわけではありません。

オンライン

各チェーンのオンラインストアや配達アプリでも購入できます。実物を見て選べない代わりに、品種と産地が明記されているため、品種・産地・内容量・配送条件を比較して買いたいときに便利です。

スーパー・専門店・オンラインの購入チャネルを比較した図
スーパー・輸入果物専門店・オンライン、それぞれの強みと購入時のチェック項目。

なお、日本産リンゴは、贈答用の高価格帯商品として販売されることがあります。2024年9月のベトナムメディアには、日本の「Sekai Ichi(世界一)」が1個50万ドン超で販売された例が紹介されました。これは特定時点・店舗の販売例であり、一般的な相場ではありません。

おいしいリンゴの選び方

リンゴも外観だけでは内部の状態を完全には判断できません。それでも、店頭で比較しやすい点はいくつかあります。

比較の判断材料にしやすいのは、次の3点です。

  1. 硬さ: 同じ品種同士で比べ、全体に張りがあって硬いものを選びます。指先で強く押すと売り物を傷めるので、持った感触で確かめます。局所的に軟らかい部分があれば、打撲や傷みの可能性があります
  2. 重量感: 同じ品種・同程度の大きさなら、重量感のあるものを選ぶとよいでしょう
  3. 皮の状態: 破れ、軟化した部分、腐敗がないものを選びます。ぶつけた跡は、そこから傷みが広がります

一方、よく言われる目安のなかには、輸入リンゴでは当てにならないものもあります。皮のツヤは収穫後の被膜の影響を受けますし、色の均一さは品種や着色の程度、等級によって変わります。ヘタの乾き具合も、長い輸送を経たリンゴでは収穫からの日数の判断には使えません。果実に貼られたシールに入荷日が書かれているとも限らないので、原産地の表示を確かめる程度に考えておくとよいでしょう。

失敗しにくいリンゴの選び方。硬さ・重量感・皮の状態を示す図解
失敗しにくいリンゴの選び方。硬さ・重量感・皮の状態は比較的使いやすい判断材料。ツヤ・色の均一さ・ヘタの乾きだけで鮮度を決めない。

リンゴの切り方|くし形切りとスターカット

リンゴは、皮をむかずに食べることも、切って分けることもできます。食べる人の噛む力や用途に合わせて選びましょう。

噛む力に問題のない大人なら、よく洗ってそのままかじれます。 ナイフやまな板がない旅行先でも食べやすい方法です。

洗ってそのままかじるリンゴの基本の食べ方を示す図
洗って、かじるだけ。人数で分けるなら縦4等分にして芯を切り落とす。

人数で分けたいときは、次の2つの切り方が便利です。

くし形切り

  1. よく洗って水気を拭き取ります
  2. 縦半分に切り、さらに縦半分に切って4等分にします
  3. それぞれの中心にある芯の部分を、斜めに包丁を入れて三角に切り落とします
  4. さらに切り分けて8等分にするなど、食べやすい大きさに調整します

スターカット(輪切り)

農林水産省も紹介している切り方で、リンゴを横向きに置いて輪切りにする方法です。断面の中央にある芯の部分が星の形に見えることから、この名前が付いています。

  1. 安定したまな板の上にリンゴを横向きに置きます。まな板が滑る場合は、まな板の下に濡れ布巾や滑り止めを敷きます
  2. 指先を刃の進行方向から離してリンゴを支え、上から好みの厚さに切ります。厚さは好みや噛む力に合わせます。乳幼児には、硬い生の輪切りをそのまま出さないでください
  3. 種と硬い芯を取り除き、食べやすい大きさに切り分けます

スターカットは皮ごと食べやすい切り方ですが、くし形切りでも皮を残して食べられます。文部科学省の食品成分データベースで比べると、可食部100gあたりの食物繊維は、皮つきが1.9gなのに対して皮なしは1.4g、ビタミンCは皮つきが6mgで皮なしが4mgと、皮の分だけ多くなります。食べない部分が軸(へた)と種・硬い芯だけになるので、生ゴミも減ります。

皮ごと食べやすいスターカットの切り方3手順
スターカットなら、皮ごと食べられて生ゴミも減る。廃棄する部分は芯・種・軸だけ。

ただし、輪切りにすると断面の中央に種が残ります。大人が気づかずに数個飲み込んでも通常は問題ありませんが、子どもに出すときは種を取り除いてください。あとで紹介するとおり、乳幼児にはこの切り方をそのまま出さないでください。

切ったあとの変色を防ぐ

切ったリンゴが茶色くなるのは、空気に触れることで果肉のポリフェノールが酸化するためです。この反応はポリフェノール酸化酵素が進めるので、酵素の働きを抑えるか、酸素との接触を減らすかすれば変色を防げます。薄い塩水やレモン水にさっとくぐらせる、ラップで密着させる、といった方法が一般的です。

ベトナムでも見かける食べ方

1.そのまま食べる

ベトナムでも、いちばん多いのはこの食べ方です。よく洗って、皮ごとかじります。

2.Nước ép táo(リンゴジュース)

ベトナムでは家庭でもよく作られる定番の飲み物です。赤リンゴでも青リンゴでも作れ、ニンジンと合わせるレシピも人気があります。

3.Salad táo(リンゴのサラダ)

薄切りまたは角切りにして、野菜と和えます。酸味のある Granny Smith が向いています。脂っこい料理が続いたときのさっぱりした一皿として親しまれています。

4.Mứt táo(táoの砂糖漬け)

テトの砂糖漬け菓子「Mứt Tết」には「mứt táo」という一品がありますが、伝統的に使われるのは、リンゴではなくインドナツメ(táo ta)です。ここでも「táo」という言葉が二役を演じています。

一方で、セイヨウリンゴを使った現代的なアレンジのレシピも紹介されています。赤リンゴを薄切りにして塩水に30分ほど浸け、4〜5時間干してから、砂糖・シナモンパウダー・オレンジ果汁と合わせて弱火で煮詰める、という作り方です。

5.贈り物として

リンゴ物語で紹介したとおり、ベトナムでリンゴは「食べる果物」であると同時に「贈る果物」です。テトが近づくと、輸入果物を詰めた贈答用のかごが店頭に並びます。また、北部の旧正月の五果盛り(mâm ngũ quả)に táo が並ぶこともあり、祖先の祭壇に供えられます。何を盛るかは地域や家庭、時代によって異なり、決まった5種があるわけではありません。伝統的に欠かせない果物というわけではありませんが、現代のベトナムでリンゴが得た役割の一つといえます。

ベトナムでのリンゴの楽しみ方4種(ジュース・サラダ・砂糖漬け・贈り物)
ベトナムでのリンゴの楽しみ方。テトのMứt táoはtáo ta(インドナツメ)が本来の姿で、リンゴ版は現代的なアレンジ。

リンゴの保存方法|丸ごと・切った後

切ったリンゴは清潔な容器に入れるかラップで覆い、すぐに冷蔵し、早めに食べ切ります。変色を抑える処理をしても、常温で長く保存できるわけではありません。

リンゴは、果物の中でも比較的長く保存できます。家庭では次のようにします。

  • 穴を開けたポリ袋に入れるか、口を完全には閉じずに袋へ入れます
  • 冷蔵庫の野菜室に入れます

日本では、1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーで包んでから袋に入れる方法も広く紹介されています(乾燥を防ぐのが目的です)。

袋に入れる目的は2つあります。1つは乾燥を防ぐこと。もう1つは、リンゴが出すエチレンガスを、周囲の野菜や果物から隔てることです。エチレンは果物の追熟を促すので、むき出しのまま冷蔵庫に入れると、まわりの野菜や果物の劣化が早まります。

袋の口を完全に密閉しないのは、結露やエチレンが袋の中にこもるのを避けるためです。

逆に、この性質を利用することもできます。硬くて食べ頃でないキウイやアボカドがあるときは、リンゴと一緒に紙袋などへ入れて室温に置くと、追熟を促せます。傷み過ぎないよう、状態は毎日確認してください。

リンゴの保存方法。乾燥防止とエチレン対策を示す図
低温・乾燥防止・エチレン対策が保存の基本。追熟させたい果物とは逆に、同じ紙袋を使う。

リンゴの洗い方と安全上の注意点

表面のワックスと「1か月傷まない」問題

ベトナムで輸入リンゴを買った人がよく口にするのが、「1か月経っても傷まないのは薬のせいではないか」という不安です。

リンゴが長く保つ背景には、品種の性質に加え、収穫後の予冷、低温流通、CA(Controlled Atmosphere)貯蔵などがあります。CA貯蔵は温度と空気中の酸素・二酸化炭素濃度などを管理し、果実の呼吸と成熟を遅らせる技術です。設定値や保存できる期間は品種と施設によって異なります。したがって、「長持ちする」という事実だけから、危険な薬剤が使われている、あるいは使われていないと判断することはできません。

ただし、CA貯蔵は果実の成熟を遅らせる技術であって、殺菌をする技術ではありません。長く保つからといって、洗わずに食べてよいということにはなりません。

ここで、2種類の「ワックス」を区別しておきます。1つは、リンゴの表皮を覆う天然のろう質です。水分の損失を抑え、果実を外部環境から守ります。もう1つは、収穫後に乾燥防止や光沢保持などを目的として使われる食品用被膜で、カルナウバロウやシェラックなどが用いられる場合があります。使われる被膜は商品や輸出国によって異なるため、外観だけで種類や使用の有無を判定することはできません。

なお、家庭でこの2つを見分ける確かな方法はありません。「熱い湯をかけて白い膜が浮けば塗ったワックス」といった見分け方が紹介されることがありますが、根拠は確認できませんでした。

洗い方は「流水でやさしくこする」だけ

洗い方については、米国FDAが生鮮農産物の扱い方として次のように示しています。

  1. まず手を石けんと温かい流水で20秒間洗います
  2. 傷んだ部分は切り落とします
  3. 皮をむく場合も、むく前に流水の下で洗います
  4. 流水の下で、手でやさしくこすりながら洗います
  5. 清潔な布かペーパータオルで水気を拭きます

石けんや洗剤、市販の野菜洗浄剤は使わないよう案内されています。家庭で洗浄液を混ぜるより、FDAの案内に沿って流水で洗う方法を基本にしてください。強くこすると皮を傷つけるおそれがあります。流水で十分に洗い、手でやさしくこする——これが基本です。

なお、FDAは、洗うことで細菌を減らせても、完全には除去できないとしています。洗えば無菌になるわけではない、という前提は知っておいてください。

FDA準拠の正しい洗い方5ステップを示す図
低温流通とCA貯蔵で長持ちする仕組みと、正しい洗い方5ステップ。リンゴ自体には石けん・洗剤・野菜洗浄剤を使わない。

種は食べても大丈夫?

リンゴの種には、アミグダリンという青酸配糖体が含まれています。種が噛み砕かれると、消化の過程でシアン化物が生じる可能性があります。

ただし、過度に心配する必要はありません。通常、リンゴ1個に含まれる種を誤って丸飲みしても、中毒は考えにくいとされています。丸ごとの種は硬い殻に覆われていて、そのまま体を通り抜けるためです。避けるべきなのは、種を噛み砕いて大量に摂ることです。意図的に種を食べることは避けてください。

小さな子どもに出すとき

生のリンゴは硬く、乳幼児にとっては窒息の原因になり得ます。米国CDCも、生のリンゴを子どもの窒息事故を起こしやすい食品の一つとして挙げています。

  • 芯と種を完全に取り除く。輪切り(スターカット)をそのまま出さない
  • 発達段階に応じて、加熱して柔らかくする、つぶす、すりおろすなど、安全に飲み込める硬さと形にする。硬い生リンゴのかたまりは避ける
  • 食べている間は必ず座らせ、食べながら歩いたり走ったりさせない
  • 食事中は大人がそばで見守る

丸ごとかじれる手軽さはリンゴの魅力ですが、それは噛む力が十分にある人の話です。

花粉症の人は注意

シラカバ(カバノキ科)の花粉症がある人は、リンゴを食べたときに口の中や喉のかゆみ・腫れなどの症状(口腔アレルギー症候群)が出ることがあります。

これは免疫の交差反応によるものです。シラカバ花粉の主要抗原である「Bet v 1」はPR-10というグループに属し、同じグループにリンゴの抗原「Mal d 1」が含まれるため、体が似たものとして反応してしまいます。

過去にリンゴを食べて口や喉に症状が出たことがある人は、自己判断で少しずつ試すことはせず、生のリンゴを避けて医療機関に相談してください。シラカバ花粉と交差反応するMal d 1は熱に弱いため、加熱したリンゴなら食べられる場合が多いことも知られています。ただしリンゴには、加熱に比較的強いMal d 2やMal d 3といった別の抗原もあります。加熱すれば必ず大丈夫というわけではないので、これも医師に確認したうえで判断してください。呼吸が苦しい、飲み込みにくいといった症状が出た場合は、ただちに救急の対応が必要です。

リンゴを食べる際の注意点3つ。種・窒息リスク・花粉アレルギー
種・乳幼児の窒息・花粉食品アレルギー症候群という3つの安全上の注意点。

リンゴは日本へ持ち帰れる?

結論から言うと、持ち帰れません。理由は制度そのものにあります。現行の日本の植物検疫制度で、ベトナムからのりんご生果実が持ち込み禁止品に分類されているためです。

農林水産省 植物防疫所の「海外から野菜や果物を持ち込む際の規制」のベトナムのページを見ると、りんごは「持ち込めません」と明記されています。旅行者にとっての結論はひとつです。ベトナムから手荷物として持ち出すリンゴは、日本へ持ち込めません。ニュージーランド産でも米国産でも、ハノイで買ったものを手荷物で持ち帰ることはできない、ということです。

2026年10月8日に植物防疫所のベトナム向け案内を確認しました。渡航前にも最新の条件を確認してください。

ベトナムから日本へリンゴを持ち込めない理由を示す図
ベトナムから旅行者が手荷物として持ち出すリンゴは、原産国にかかわらず日本へ持ち込めない。

筆者の実食メモ

スーパーの陳列棚に並ぶニュージーランド産リンゴ
購入したスーパーの陳列棚。ニュージーランド産(Sassyブランド)のリンゴが並んでいた。
購入したリンゴ2個を皿に置いた実物写真
実際に購入したリンゴ2個。
リンゴを半分にカットした断面写真
1個を半分にカットした断面。果肉は淡い黄白色。
リンゴをくし形4等分にした写真
もう1個はくし形に4等分。
皮をむいて一口大に切ったリンゴ
皮をむいて食べやすい大きさに切った状態。

購入記録 場所:スーパー 日付:2026年9月 価格:109,988ドン(2個・0.582kg、1kgあたり約188,983ドン)

食べた感想 シャキシャキした食感で、甘みと酸味のバランスがよい。 初心者おすすめ度:★★★★★

よくある質問

皮ごと食べても大丈夫ですか?

はい。よく洗えば皮ごと食べられます。皮つきのほうが食物繊維とビタミンCを多く摂れます。輪切りにする「スターカット」なら、皮をむく手間なく食べられます。

表面の白い膜やベタつきは洗ったほうがよいですか?

リンゴ自身が分泌する天然のワックスと、収穫後に塗られる食品用の被膜があり、家庭で見分ける確かな方法はありません。いずれの場合も、流水の下で手でやさしくこすり、清潔な布かペーパータオルで水気を拭くのがFDAの示す方法です。石けんや洗剤、市販の野菜洗浄剤は使いません。

種を食べてしまっても危険ではありませんか?

通常、リンゴ1個に含まれる種を誤って丸飲みしても、中毒は考えにくいとされています。避けるべきなのは、種を噛み砕いて大量に摂ることです。なお、子どもに出すときは種を取り除いてください。

ベトナム産のリンゴはありますか?

店頭で流通するセイヨウリンゴの大部分は輸入品です。ただし、北部の高冷地では栽培の例があります。ラオカイ省サパでは「ふじ」「グラニースミス」の試験栽培が、ライチャウ省シンホーではセイヨウリンゴの栽培事例が報告されています。過去の栽培事例だけから現在の生産規模や店頭での流通量を判断することはできません。なお、ベトナム産の「táo」として山積みで売られているものは、多くがリンゴではなくインドナツメ(táo ta)です。

日本へ持ち帰れますか?

できません。日本の植物検疫で、ベトナムからのりんご生果実は「持ち込めません」に分類されています。ベトナムから手荷物として持ち出す場合は、購入したリンゴの原産国にかかわらず持込み禁止の対象です。

ベトナムでリンゴを買って食べるポイント

リンゴは、噛む力に問題のない大人なら、洗ってそのままかじれる手軽な果物です。難しいのは切り方ではなく、選び方と値段の見極めです。

  • 選ぶ:硬さ、重量感、皮の破れや軟化の有無を確認する。ツヤや色の均一さ、ヘタの乾き具合は輸入リンゴでは当てにならない
  • 買う:2026年4月更新の参考価格表では1kgあたり6万〜38万ドン。まずは Gala や Fuji のような中価格帯の品種から試す
  • 切る:噛む力に問題のない大人なら丸かじりもできる。分けるならくし形か、皮ごと食べられるスターカット(輪切り)
  • 食べる:そのまま、Nước ép táo(ジュース)、Salad táo。テトの Mứt táo は本来インドナツメを使う菓子だが、リンゴを使う現代的なアレンジもある。贈り物としても使われる
  • 洗う:流水の下で手でやさしくこすり、清潔な布かペーパータオルで水気を拭く。石けん・洗剤・野菜洗浄剤は使わない
  • 気をつける:乳幼児には芯と種を取り除き、加熱して柔らかくする、つぶす、すりおろすなど、発達段階に合う形にする(硬い生リンゴは窒息の原因になり得る)。種は噛み砕いて大量に摂らない。リンゴで口や喉に症状が出たことがある人は自己判断で試さず医療機関へ
  • 保存する:1個ずつ紙で包み、穴を開けた袋か口を閉じない袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。エチレンガスを出すため他の野菜・果物とは分ける
  • 持ち帰る:ベトナムから手荷物として持ち出すりんご生果実は、日本の植物検疫で「持ち込めません」に分類されている

まずはスーパーで、産地シールを見ながら1個買ってみてください。洗うだけで食べられるので、旅行中の手軽な果物としても頼りになります。

リンゴの購入・消費チェックリスト7項目
購入から消費までの7つのチェックポイント。

リンゴについてさらに知りたい人へ

  • 生態、栄養、世界とベトナムの品種、市場動向:リンゴ図鑑へ
  • 天山山脈の起源から禁断の果実、そしてベトナムでの現在まで、リンゴの歴史と文化:リンゴ物語へ
  • ベトナムで楽しめる果物の一覧:ベトナムの果物15選へ

参考資料

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この記事を書いた人

ベトナム・ハノイ在住。現地の市場やスーパーで実際に果物を購入し、味・旬・選び方・食べ方を紹介しています。日本ではあまり知られていない南国フルーツの魅力を、現地での体験をもとに分かりやすくお伝えします。

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